条例等探訪ノート =千葉県市原市編=

 

前 説

 

第5回は、東京湾を渡って千葉県市原市の条例、同施行規則及び要綱です。これらは、平成13年4月1日(条例、同施行規則)、平成13年4月17日(要綱)に施行されました。

東京湾アクアラインや京葉道路などにより交通の便もよく、また、「チバニアン」が認定された注目の市です。立地上、墓地等の設置を検討される法人が多いとは存じますが、どのような条例等が制定されているのでしょうか。

チバニアン:令和2年1月17日、韓国釜山で開催されたIUGS(国際地質科学連合)の理事会において、千葉セクション(市原市田淵の地磁気逆転地層)が前期ー中期更新世地質年代境界のGSSP(国際境界模式地)に決定されました!
これにより、約77万4千年前~約12万9千年前(新生代第四紀更新世中期)の地質年代の名称が「チバニアン」と呼ばれることになります。GSSPは世界で74箇所目となり、日本では初めての認定です。

市原市ホームページより引用)

 

市原市墓地等の経営の許可等に関する条例
市原市墓地等の経営の許可等に関する条例施行規則
市原市墓地等の経営の許可等に関する事前協議要綱 より

 

 

1 墓地に関する定め

 

【墓地の経営主体】

1.~4.のいずれか

1.地方公共団体

2.宗教法人

3.自己又は自己の親族のために設置された墓地を自己又は自己の親族のために引き継いで経営しようとするとき(いわゆる個人墓。以下「個人墓」という。)

4.災害の発生又は公共事業の実施に伴い個人墓を移転して、新たに個人墓を経営しようとする場合で、宗教的感情上及び公衆衛生上支障がないと市長が認めるとき

※ 投稿主註釈: 公益社団法人及び公益財団法人の記載はありません。

 

【宗教法人の許可条件】

1.永続的に自己の所有地(当該宗教法人の主たる事務所又は従たる事務所が存する境内地又はこれに隣接する土地の区域に限る。)に設置した墓地を経営(宗教本来の用に供するものに限る。)しようとするとき。

2.次に掲げる基準のいずれにも該当すること

 規則で定める財務基準(※1)の要件に適合していること。
 他に墓地等を経営している場合にあっては、当該墓地等が関係法令等を遵守し、適切に経営されていること。
 市原市に当該宗教法人の事務所を有していること。
(例外規定) 自己の所有地が、事務所所在地の境内地等以外(いわゆる飛び地境内地)でも墓地の許可を受けることが可能となる条件等
(条件等) ア~ウに掲げる基準のいずれにも該当する宗教法人が、永続的に自己の所有地に設置した墓地を経営しようとする場合であって、規則で定めるやむを得ない事情(※2)があると認めるとき

 

※2(やむを得ない事情)

次のa.b.のいずれか

a.墓地を経営する宗教法人が解散その他の事由により当該墓地の経営を継続することが困難となった場合において、他の宗教法人が当該墓地を引き継いで経営しようとするとき。

b.墓地を経営しようとする宗教法人の事務所が存する境内地又はこれに隣接する土地を含む土地の区域に、新たに墓地を設置する場所がないとき(当該宗教法人が既に市内において墓地を経営している場合にあっては、当該墓地のすべての墳墓において長期間の使用に係る契約が締結されている場合に限る。)。

 

※1(ア 財務基準)
次のいずれにも該当することが必要

ⅰ 経営しようとする墓地又は納骨堂の規模に照らし、経営するための十分な財産その他の経済的基礎を有していること。

ⅱ 墓地又は納骨堂の設置に要する資金計画が適切であること。

ⅲ 許可後の経営計画、借入金がある場合はその返済計画が適切であること。

ⅳ 墓地又は納骨堂の計画における資金計画につき、次に掲げる金融機関以外からの借入金がないこと。
 ア 銀行
 イ 長期信用銀行
 ウ 信用金庫
 エ 信用金庫連合会
 オ 信用協同組合
 カ 信用協同組合連合会
 キ 農業協同組合
 ク 農業協同組合連合会
 ケ 漁業協同組合
 コ 漁業協同組合連合会
 サ 水産加工業協同組合
 シ 水産加工業協同組合連合会
 ス 労働金庫
 セ 労働金庫連合会
 ソ 農林中央金庫
 タ その他市長が認める金融機関

ⅴ 墓地等の用地は、自己の所有地であり、抵当権等の他人の権利が設定されていないこと。
(除外規定) 墓地等の経営に影響しない地上権及び地役権

ⅵ 市に存する主たる事務所及び従たる事務所の土地及び建物は自己の所有であり、墓地の経営に影響を与えるような抵当権等の他人の権利が設定されていないこと。

ⅶ 他に墓地等を経営している場合は、当該墓地等に、抵当権等の他人の権利が設定されていないこと。
(除外規定) 墓地等の経営に影響しない地上権及び地役権

 

【墓地の設置場所の基準】

1.河川、海又は湖沼から墓地までの距離は、20m以上であること。
(例外規定) 河川、海又は湖沼の改修等がなされている場合で宗教的感情上及び公衆衛生上支障がないと市長が認めるとき

2.土葬のある墓地は、住宅等(住宅、学校、保育所、図書館、博物館、公民館及び病院をいう。以下同じ。)の敷地から墓地までの距離は、100m以上であること。
(例外規定) 災害の発生又は公共事業の実施により墓地を移転することが必要であり、かつ、その移転する場所が公衆衛生上支障がないと市長が認める場合

3.土葬のない墓地は、住宅等の敷地から墓地までの距離は、50m以上であること。
(例外規定) 墓地から50mの範囲内に住宅等がある場合で居住する世帯の代表者等の相当数以上の同意があるとき又は宗教的感情上及び公衆衛生上支障がないと市長が認めるとき

4.墓地を設置する場所は、高燥で、かつ、飲用水を汚染するおそれのない土地であること。

5.1.~4.のほか、墓地を設置する場所は、公衆衛生上支障がない土地であること。

 

【墓地の構造設備基準】

(基本則)

1.墓地の境界の内側に、当該境界に接した3m以上の幅の緑地帯を設け、かつ、当該墓地の境界から3m以上内側に、当該墓地の境界から墳墓が見えないように障壁等を設けること。
(除外規定) 1,000平方メートル未満の墓地であって、当該墓地の境界に当該墓地の境界から墳墓が見えないように障壁等を設けるもの

2.墓地の出入口には、門扉を設けること。

3.墓地内には、砂利敷その他ぬかるみとならない構造を有し、かつ、幅員が1m以上である通路であって、各墳墓に接続しているものを設けること。
(例外規定) 墳墓の構造、配置等により宗教的感情上及び公衆衛生上支障がないと市長が認める場合

4.墳墓一区画当たりの面積は、1.5平方メートル以上であること。

5.墓地内には、適当な排水路を設け、雨水又は汚排水が停留しないようにすること。

 6.墓地には、便所、使用水の施設及び管理事務所を設けること。
(例外規定) 同施設が近くにあり、宗教的感情上及び公衆衛生上支障がないと市長が認める場合

7.墓地の区域内又は墓地の利用者が使用しやすい場所に、墓地の墳墓数の5%(小数点以下切り上げ)以上の駐車台数の駐車場(底地の所有権を有しているもの)を設けること。
(除外・例外規定) 個人墓に該当する場合、又は市長が当該墓地の構造等により支障がないと認める場合

 

(3,000平方メートル以上の墓地の特則)

3,000平方メートル以上の墓地は、上記基本則のほか、次のA.B.の基準に適合しなければならない。
(例外規定) 区域の拡張によって3,000平方メートル以上の面積となる場合で、宗教的感情上及び公衆衛生上支障がないと市長が認めるとき

A.基本則1.に規定する障壁等の内側に、当該障壁等に接し、別表の左欄に掲げる墓地の面積に応じ、それぞれ同表右欄に掲げる幅の緑地帯を設けること(別表の記載は省略します)。
(例外規定) 土地の形状及び墳墓の配置状況により宗教的感情上及び公衆衛生上支障がないと市長が認める場合で、当該緑地帯の面積と同面積の緑地を墓地内に設けるとき

B.墓地内の主要な通路の幅員は、3m以上とすること。
(特則の特則)1ヘクタール以上の墓地は、墓地内の主要な通路のうち幹線となる通路の幅員は、6メートル以上とすること。

 

 

2 納骨堂に関する定め

 

【納骨堂の経営主体】

いずれか

1.地方公共団体

2.宗教法人

 

【宗教法人の許可条件】

次に掲げる基準のいずれにも該当すること

 規則で定める財務基準の要件に適合していること。
※ 上記、※1(ア 財務基準)を参照

 他に墓地等を経営している場合にあっては、当該墓地等が関係法令等を遵守し、適切に経営されていること。

 市原市に当該宗教法人の事務所を有していること。

 

【納骨堂の設置場所の基準】

1.納骨堂の周囲は、相当の空地を有し、かつ、その境界に障壁又は密植したかん木の垣根等を設けること。
(例外規定) 建物の一部において堅固な障壁等で他の施設と区画して経営する納骨堂

2.納骨堂の出入口には、門扉を設けること。

3.納骨堂には、便所、使用水の施設、待合室及び管理事務所を設けること。(例外規定) 納骨堂の利用者が使用できる同施設が近くにあり、宗教的感情上及び公衆衛生上支障がないと市長が認める場合

 

【納骨堂の構造設備基準等】

1.耐火建築構造とし、内部の設備は、不燃材料を用いること。

2.内部には、除湿装置を設けること。

3.出入口及び納骨装置には、施錠ができること。
(例外規定) 納骨装置の存する場所の出入りが納骨堂の管理者に限られる場合

 

3 周辺地への対応の定め

この項は、要綱に定められています。詳細を知りたい方は、表題の「市原市墓地等の経営の許可等に関する事前協議要綱」をご覧ください。

【近隣住民等の説明】

【近隣土地所有者の同意】

【標識の設置】

【標識を設置した旨の届出】

【審査及び指導】

【事前協議済書等】

【事前協議済後の変更】

【墓地計画中止届】

【工事の禁止】

【効力】

 

 


 

※ 経営主体に公益法人の記載がないことが、留意点です。