墓地、納骨堂 市長及び特別区の区長の許可の根拠

 

まとめ

 

「地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律」(平成23年法律第105号)(第2次一括法)

により、墓地、納骨堂及び火葬場(以下、「墓地等」という。)の経営許可、変更許可等の都道府県知事の権限が、市長及び特別区長に移ったため、市及び東京23区の墓地等の許可手続は、それぞれ市役所・区役所の保健所等担当部署で行います。

このページは、内閣府HP 及び 厚生労働省HP を参照して作成しました。

 

墓地、埋葬に関する法律 第2条

 

当事務所で扱っています「墓地、埋葬に関する法律」は、第2条に定義の記載があり、その条文をみると、

第2条 

1.この法律で「埋葬」とは、死体(妊娠四箇月以上の死胎を含む。以下同じ。)を土中に葬ることをいう。

2.この法律で「火葬」とは、死体を葬るために、これを焼くことをいう。

3.この法律で「改葬」とは、埋葬した死体を他の墳墓に移し、又は埋蔵し、若しくは収蔵した焼骨を、他の墳墓又は納骨堂に移すことをいう。

4.この法律で「墳墓」とは、死体を埋葬し、又は焼骨を埋蔵する施設をいう。

5.この法律で「墓地」とは、墳墓を設けるために、墓地として都道府県知事の許可をうけた区域をいう。

6.この法律で「納骨堂」とは、他人の委託をうけて焼骨を収蔵するために、納骨堂として都道府県知事の許可を受けた施設をいう。

7.この法律で「火葬場」とは、火葬を行うために、火葬場として都道府県知事の許可をうけた施設をいう。

厚生労働省HPより)

当サイト「墓地、納骨堂経営許可」のページで「法律上は、都道府県知事となっていますが、多くの市区町村で、知事の権限が移譲され市区町村長が許可権者となっています。」と書きました。確かに、上記条文を見ると墓地等の許可は、「都道府県知事の許可」となっています。このうち、市長と特別区(現在東京23区のこと。他の政令都市は行政区と言います)長が許可権者となった根拠法令を示します。

 

地方分権改革の一つとして

 

地方分権改革とは、大雑把にいえば「国でする仕事を都道府県に任せ、都道府県でする仕事を基礎自治体(市町村)に任せる」という改革です。

この流れの一つとして、墓地等の許可も、都道府県知事から、市長及び特別区の区長に移ったものです。

 

第2次一括法 第24条

 

平成23年8月26日に成立し、8月30日に公布された
「地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律(平成23年法律第105号)(第2次一括法)」
(内閣府HPより)

の法律条文に記載がありました。

(墓地、埋葬等に関する法律の一部改正)
第24条 墓地、埋葬等に関する法律(昭和二十三年法律第四十八号)の一部を次のように改正する。

第2条第5項中「都道府県知事」の下に「(市又は特別区にあつては、市長又は区長。以下同じ。)
を加え、(以下略)

この条文を適用して、墓埋法の第2条第5項を書き換えますとこうなります。

5 この法律で「墓地」とは、墳墓を設けるために、墓地として都道府県知事(市又は特別区にあつては、市長又は区長。以下同じ。)の許可をうけた区域をいう。

「以下同じ。」と記載していますので、以下の条文で「都道府県知事」と記載のある箇所には、すべて「(市又は特別区にあつては、市長又は区長。)」が、入っているとみなされます。もちろん、経営・変更・廃止の許可の第10条にも適用されます。

このような、法律の定めにより、全国にある市及び東京23区では、墓地等の許可に関する条例等を定めているというものです。

 

町村の許可

 

では、町村についてはどうなっているのでしょうか。
当サイト、「墓地、納骨堂経営許可」の許可権者の項で

「ちなみに、東京都では、23区、市、多摩地区の町村でそれぞれ保健所等の担当部署があり、伊豆諸島の町村及び小笠原村という島しょ部のみ都の福祉保健局に担当部署があります。」

と書きました。東京都では、島しょ部(大島町、三宅村、小笠原村など)を除いて、奥多摩町なども檜原村もそれぞれ町長、村長の許可となっています。この町村については、後日、「条例等探訪ノート○○編」シリーズがある程度進みましたら、各道府県の条例の傾向を見定めて記載したいと存じます。